エンディングノートを書いていて良かった!日常生活でエンディングノートが役に立つかもしれない話


スマホを変えたらSNSに入れない!?

「スマートフォンを新しくしたんだけど、SNSにログインできなくなった…」

山田智子さん(70代、仮名)は長年使用したスマートフォンをこの度機種変更しました。

「5年程使用していたけど、今朝起きたら画面が暗くなってて起動できなくなり、もうそれっきりよ、」

変えたいとは思っていても「面倒だから」、「もったいない」と思い、機種変には乗り気ではなかったとのことですが、今回のトラブルで機種変更をすることにしたそうです。

新しいスマートフォンになったはいいが、

大型ショッピングモールの携帯電話ショップに駆け込み、無事に機種変更を終えてついでに日常の買い物をして帰宅した山田さん。
帰宅後に今まで使用していたSNSアプリを新端末にダウンロードしました。

それから、電話のテストも兼ねて県外に住む長女の恵子さん(40代、仮名)に今日の出来事を電話で話しました。
電話が以前のように使用できるようになりホッとする山田さん

「さて、SNSのアプリもインストールしたし起動しよう」

当然ながら新規端末で初めてアプリを起動する際はログイン画面が出ます。

「パスワード?ID?何にしたっけ?」

設定したのも何年も前ですので思い出せませんし、パスワードをメモした紙もどこにあるのか?そもそもメモをしたのかすら思い出せません。
生年月日?結婚記念日?そういった数字をパスワードにしたかも?と思い入力しましたが無情にも”「ログイン名もしくはパスワードが違います」”エラー

「困ったことになったわ」

山田さんは高齢ながらSNSやブログをよく利用していました。SNSに娘との日本全国の旅行の写真や日常の風景などを投稿しそれなりの数のフォロワーを抱えていました。SNS上でのみつながりのある友達もたくさんいます。ログインできないということはそういった友達との交流もできないということです。

スマートフォンの機種変更をすると、アプリの再設定が必要になります。特にSNSやメールなどは、IDやパスワードが分からなくなると、ログインできず困ってしまうことも。
アプリの場合大抵は常時ログイン状態ですので必然的にログアウトの習慣が無くなります。ログアウトの習慣が無くなると設定したID、パスワードを忘れてしまう可能性も高くなります。
もちろん、大抵のSNSには「パスワードを忘れた場合」という救済策があるのですが、必要となるメールアドレスや携帯電話番号を登録していない場合はその救済策も利用できません。

「今まで使えていたから」と、IDやパスワードをどこかに控えていなかったり、メモを紛失してしまったりと、意外と多くの方がこのような経験をされています。


思い出したのは娘がくれた「エンディングノート」の存在

山田さんはふと、以前に長女の恵子さんに勧められて書いた「エンディングノート」の存在を思い出しました。

「もしかしたら、あのノートに書いてあったかも…」と、引き出しからノートを取り出してみると、なんとそこに、SNSのアカウント名とパスワードがきちんと記載してあったのです。

「よかったわ!」

おかげでスムーズにログインができ、以前のようにSNS上の友達と交流したり、旅や日常の写真の投稿活動を続けることが出来るようになりました。

「あまり乗り気じゃなかったけど、あの時エンディングノートを書いていて良かったわ。勧めてくれた娘には感謝しかない」


エンディングノートは“亡くなった時”の備えだけじゃない

「エンディングノート」と聞くと、どうしても「終活」「遺言」「亡くなったときのためのもの」と思われがちですが、実はそれだけではありません。

今回のケースのように生前の日常生活においても役立つ場合があるのです。

・銀行口座や保険の情報
・スマートフォンやSNSのアカウント情報
・家族へのメッセージ
・日頃の大切な習慣や健康状態の記録

こうした情報を書き留めておくことで、“今”の暮らしの安心にもつながるのです。


情報の整理は「安心」の第一歩

このエピソードを通じて、私たちが改めて感じたのは「エンディングノートを書くことは、未来の自分や家族を助ける準備」だということ。

万が一の時の備えはもちろん、今回のように日常のちょっとしたトラブルにも役立つもの。
特にスマートフォンやインターネットを使う機会が増えている今、IDやパスワードの管理はとても大切です。


あなたも今日からはじめてみませんか?

エンディングノートは特別なものでなくてかまいません。
ノートや手帳、メモ帳でも大丈夫。少しずつ、大切な情報を書き留めておくことで、きっといつか「書いていてよかった」と思える瞬間が訪れるはずです。


エンディングノートは、人生の終わりを準備するものではなく、人生をより安心して歩むための“日常生活のパートナー”です。

(注) このブログの物語、登場人物はフィクションです。
  

この記事を書いた人

Nishikubo