親の遺言書を見つけた場合、勝手に開封するとマズい?

遺言書の封筒を見つけたら家庭裁判所に検認を請求しましょう

親が亡くなった後、遺品整理などで遺言書を見つけることがあります。しかし、封がされた遺言書を発見した場合、すぐに開封してはいけません。法律上、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封する必要があると定められています。

遺言書の検認とは?

検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と内容を確認し、偽造や変造を防ぐための手続きです。検認を受けることで、相続人全員が遺言の存在を把握し、後々のトラブルを防ぐことができます。

検認の目的

  • 遺言書の存在と内容を相続人に知らせる
  • 遺言書の内容を明確にして、相続の手続きをスムーズにする
  • 偽造や変造を防止するため

遺言書を勝手に開封するとどうなる?

封がされた遺言書(自筆証書遺言)を相続人が家庭裁判所の検認を受けずに開封すると、5万円以下の過料が科される可能性があります(民法1005条)。

また、相続人同士のトラブルや、遺言の有効性に疑問を持たれる可能性もありますので、適切な手続きを踏むことが重要です。

遺言書を見つけたらどうする?

  1. 封筒を開けずに保管する
  2. 家庭裁判所に検認の申立てを行う(遺言書がある管轄の家庭裁判所)
  3. 家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封する

公正証書遺言の場合は検認不要

公証役場で作成された公正証書遺言であれば、家庭裁判所の検認は不要です。公証役場で保管されているため、偽造や紛失の心配もありません。

自筆証書遺言保管制度を利用した場合も検認不要

自筆証書遺言保管制度とは、法務局が自筆証書遺言を安全に保管する制度です。(2020年7月10日から施行)遺言者本人が法務局に申請することで、遺言書の紛失・改ざんのリスクを防ぐことができます。遺言書を預ける前に法務局で形式チェックを受けます。(ただし、遺言書の内容は審査されません。)遺言者が生前にこの制度を利用し遺言書を保管した場合は、家庭裁判所での検認が不要になります。

まとめ

親の遺言書を見つけた場合、勝手に開封せず、家庭裁判所に検認を請求することが重要です。正しい手続きを踏むことで、相続トラブルを回避し、円滑な遺産分割が可能になります。

“あなたに寄り添う伴走者” 一般社団法人あんしん相続支援協会

※2025年1月時点の情報に基づいています。

この記事を書いた人

Nishikubo