相続手続きにおいて「法定相続情報一覧図」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは、相続手続きをスムーズに進めるための重要な書類の一つです。本記事では、法定相続情報一覧図とは何か、そのメリット、取得方法について詳しく解説します。

1. 法定相続情報一覧図とは?

法定相続情報一覧図とは、被相続人(亡くなった方)の相続関係を一覧にまとめた書類です。法務局で認証を受けることで、公的な証明書として利用できます。法定相続情報証明制度は平成29年5月に創設された制度で、相続人から相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)とともに、戸除籍謄本等を登記所に提出し、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認した上で、その一覧図に認証文を付した写しを無料で交付するというものです。
従来の相続手続きでは、金融機関や役所などで手続きをするたびに、被相続人の戸籍謄本一式(出生から死亡まで)を提出する必要がありました。しかし、法定相続情報一覧図を活用すれば、これを一度の提出で済ませることができます。相続登記や銀行の手続きでも法定相続情報証明制度を利用すれば原則本来必要である戸籍謄本一式の提出を省略することが出来ます。
2. 法定相続情報一覧図のメリット
法定相続情報一覧図を利用するメリットには、以下のようなものがあります。
(1) 相続手続きの簡略化
金融機関や不動産登記の際に、何度も戸籍謄本を提出する手間が省けます。法定相続情報一覧図があれば、同じ情報を何度も提出する必要がありません。また、法定相続情報番号という法定相続情報を識別するための番号番号もあり、
令和6年4月1日から、登記申請書の添付情報欄に法定相続情報番号を記載することで、法定相続情報一覧図の写し(証明書の原本)の添付を省略できるようになりました。
(2) 相続手続きの時間短縮
戸籍謄本の収集や提出の手間が減ることで、相続手続きをスムーズに進めることができます。
(3) 無料で取得可能
本制度は無料で利用できます。
(4) 相続トラブルの防止
公的な証明書として利用できるため、相続人同士でのトラブルを防ぐのにも役立ちます。
3. 法定相続情報一覧図の取得方法
法定相続情報一覧図を取得するための流れは以下の通りです。
(1) 必要書類を準備する
取得に必要な書類は以下の通りです。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 被相続人の住民票除票または戸籍の附票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 申請者(相続人の代表者)の本人確認書類(運転免許証など)
- 法定相続情報一覧図の作成案(法務局のフォーマットを利用)
- これ以外にも状況により必要になる書類があります。
(2) 法務局へ申請する
準備した書類を持参し、法務局へ申請します。
(3) 法定相続情報一覧図の認証を受ける
法務局で内容が確認されると、法定相続情報一覧図が認証され、交付されます。
(4) 必要な機関へ提出
取得した法定相続情報一覧図を、金融機関や不動産登記の手続きに使用します。
4. まとめ
- 法定相続情報一覧図は、被相続人の相続関係を一覧にまとめた書類で、公的な証明書として利用できる。
- 相続手続きの簡略化、時間短縮、無料での取得など、多くのメリットがある。
- 必要書類を揃えて法務局へ申請すれば取得でき、相続手続きをスムーズに進められる。
相続手続きは煩雑になりがちですが、法定相続情報一覧図を活用することで、スムーズに進めることができます。必要に応じて弁護士、司法書士、行政書士などの専門家のサポートを受けながら、適切に手続きを進めましょう。
※この記事は2025年3月時点の情報を元に作成しております。詳しい情報は法務局HP「法定相続情報証明制度」について:法務局をご確認ください。
“あなたに寄り添う伴走者” 一般社団法人あんしん相続支援協会
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